『火垂るの墓』を子どもに見せたい理由。親になって気づいた“今の幸せ”

夕焼け空の下、兄と妹が歩くシルエット。『火垂るの墓』を思わせる情景で、戦争と平和、家族の絆を静かに伝える印象的な構図。 子育ての気づき
戦争の記憶を、静かに伝える1枚──夕暮れの中に浮かぶ兄妹の影

はじめに

何気なくYouTubeを見ていたときに、たまたま目に入った『火垂るの墓』のリアクション動画。
ああ、懐かしいな…と思ったのも束の間、涙をこらえる外国人の姿や、ただ静かに目を閉じる姿が胸に刺さってしまいました。

「子どもにこの映画を見せるべきか?」

誰もが一度は悩むこの問いに、私は親として、ひとつの答えを持っています。2025年夏、スタジオジブリの名作『火垂るの墓』がNetflixで国内配信されることが発表され、SNSでも話題が再燃しました。ふとそのニュースを見た瞬間、私は胸の奥がじわっと熱くなったのを覚えています。

子どもの頃に観たときとは、まったく違う感情が湧き上がる。親になった今だからこそ、この作品が語りかけてくる“何か”に、耳を傾けたくなったんです。

実際にあった現実を描いた物語

『火垂るの墓』は、第二次世界大戦中の神戸を舞台に、14歳の兄・清太と4歳の妹・節子が生き抜こうとする姿を描いた物語です。

でもこれは、ただのフィクションではありません。

神戸、大阪、広島、長崎…全国各地で、当時の子どもたちは本当にあのような生活をしていました。空襲、飢え、孤独。それは遠い昔の話のようでいて、実際にこの国で起きたことです。

私たちがこの作品を“映画”としてだけではなく、“記憶の継承”として観ることができるかどうかが、すごく大事な気がします。

親の目線で観ると変わる景色

節子の「お兄ちゃん、お腹すいた」
清太の「俺がなんとかするから」

たった一言で、胸が張り裂けそうになる。昔は“悲しい話”だったけど、今は違う。笑っている我が子、寝ている我が子を思い出してしまって、涙が止まらなくなるんです。

きっとこれは、親になって初めてわかる視点なのかもしれません。

それでも、私は見せたい

「重すぎる」「子どもにはトラウマになる」
そういう声もSNSではたくさん見かけました。

一度見たらもう十分。でも見ないといけない映画でもある

節子がうちの子に見えて…途中で再生止めました

今の平和のありがたみを、子どもと一緒に感じられるなら意味があると思う

私はこうした声すべてに共感しつつ、やっぱり“見せたい”と思うんです。

全部理解しろなんて言わない。ただ、
「ごはんを食べられること」
「安心して眠れること」
その日常がどれだけ尊いか、少しでも感じてもらえたら。

SNSでも広がる共感の声(国内外)

この映画は“誰が悪い”を描かず、戦争の愚かさそのものを静かに伝えてくる

トトロのサツキと節子が同時代にいたら、全然違う人生だった。運命の残酷さを思う

“This isn’t just an animation, it’s a tragedy we must never repeat.”

(これはただのアニメじゃない。二度と繰り返してはいけない悲劇だ)

“I watched it thinking it’s a movie, but I realize now it’s history.”

(映画として見ていたけど、これは歴史だと気づいた)

戦争や平和は、教科書だけじゃ伝えきれない。
でも映画なら、感情のまま受け取ってもらえることがある。
だからこそ、私は子どもと一緒に観たいと思うんです。

結びに──あなたなら、どう伝えますか?

私は、子どもに伝えたい。

「ありがとう」って言える日常。
ごはんが食べられて、夜は安心して眠れる生活。
それがどれだけ大切なことか。

たとえ全てを理解できなくても、
“今少し”感じたことが、大人になったときに
“深く根を張る”ことだってあると信じています。

きっと途中で泣いてしまうし、観終わったあと心にずしんと残ると思う。
でもその感情を、親子で共有できることに意味がある。

だからこそ──

私はこの映画を、子どもと一緒に観たい。


※ 本記事は以下を参考に構成しています:

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